法学の勉強方法④(中級者向け)

さて、本記事では、中級者向けの勉強方法についてご紹介させていただければと思います。
なお、中級者とは、基礎講座の受講が完了した程度の方を想定しております。
まだ、基礎講座を受講されている方については、
前回
の記事をご覧ください。

①基礎講座のテキストを読み込む

基礎講座の受講が完了された方が一番にやるべきことは、基礎講座のテキストを読み込むということになります。
1周目には理解できなかったことも、2週目には理解できることが増えていると思います。
この、読めば読むほど、テキストの理解が深まっていくという点が法学の勉強の醍醐味です。
この段階では、重要なことは丸暗記するという意識も必要になります。
暗記していなければ、論文で書くべきことも書けませんからね。

ちなみに、司法試験直前期には、基礎テキストに書いてあることはほとんど全て頭の中に入っている必要があります。イメージとしては、10分で読み返せと言われたら、それが出来るくらいには、頭の中にたたき込みましょう。

②基本書の使い方について

予備校のテキストVS学者の基本書

これは、司法試験業界の永遠の対立構造だと思います。
個人的には、学者の基本書を読み込むのは、ロースクールに入った後くらいからでいいと思います。
少なくとも、基礎講座の受講が終わったくらいの段階で読む必要はありませんし、逆に混乱の元になります。

ただし、テキストを読んでも理解出来ない箇所については、その分野について評価の高い基本書などを読んでみてもいいかもしれません。

10年前のことになりますが、伊藤塾の担保物権のテキストは、初心者には理解しづらいものでした。
そこで、内田貴先生の基本書の担保物権の箇所を読んでみると、伊藤塾のテキストに書いてあることが大分理解できるようになったのです。

このように、他のコンテンツを読むと、テキストの記載の意味が理解できるということはよくあります。
予備校のテキストは、重要なことに絞って記載があるため、どうしても、行間の深みに関しては、学者の基本書に勝てません。
ただ、1度理解さえしてしまえば、予備校のテキストの方が、ポイントを絞ってくれているため、復習のコンテンツとして優秀と言わざるを得ないと思います。

③判例百選

判例百選は買いましょう。
判例百選は、どの科目においても司法試験にとって必読書になると思います。
私は、会社法、民事訴訟法については、司法試験直前期には、百選しか読んでませんでした。
使い方については、高度な話になるため、別回で説明します。
ただ、中級者の方は、判例百選に書いてある程度でもいいので、事案の概要を把握し、判決の要旨を読むということが勉強になると思います。
解説については、読みこなすのに相当の知識が必要になるので、この段階では全く読まなくて良いです。

④論文講座、論文の練習

論文の講座を受けましょう。ほとんどの予備校では、基礎講座とセットになっていると思います。
論文の講座を受ける際は、講座を受けることはもちろん、たまにでいいので、実際に答案を書いてみましょう。
思った以上に書けません。
ただ、地道に答案を書くことで力が付いていきます。
時間がなければ、答案構成だけでも大丈夫です。

論文の講座で習得するべきことは、どのように法律の答案を書いていくかということです。
いわゆる法的三段論法です。
意識すべきは、
①問題提起
②理由付け
③規範定立
④当てはめ
⑤結論
という書き方です。

⑤情報の集約化

だんだんと色々なツールを利用することになります。
本記事でご紹介した基本書、判例百選、論文テキストの他、択一の過去問など、基礎テキスト以外にもたくさんのツールがあります。

これらを利用する中で、情報の集約化をするようにしましょう。
というのは、一度読んだとしても、全て覚えられる訳がないので、繰り返し読み返す必要があります。
その際に、情報を集約化しないと、読み返さないので、習得できないのです。

おすすめは、基礎テキストに集約することです。
特に、大きめのポストイットに書き込んで基礎テキストに貼り付けておくと、簡単かつ思いついた時に集約化が出来ます。
テキストは自分しか読まないので、自分が分かればオッケーというスタンスで、効率よく集約化していきましょう(ただし、字が汚すぎると、未来の自分は読み取ってくれないので注意が必要です。)