法学の勉強方法2(初心者向け)予備校選び①
前回の記事に引き続き、初心者向けの法学の勉強方法を記載していきたいと思います。
今回は、予備校選びの基準①です。
とにかく1周学ぶための方法論
前回の記事で、法学を勉強するためには、とにかく1周通読することが大切と書きました。
この1周って、どのレベルの話をしているの?という疑問があるかと思います。
結論、予備校の入門者向けの講座を受けるのが一番手っ取り早いです。
概ね、憲法、民法、刑法、商法、民訴法、刑訴法、行政法の7科目で、300-500時間の講義になるところが多いと思います。
300-500時間という時間にビックリされた方、まだまだ序の口です。
司法試験に合格しようと思ったら、3000時間は勉強しないと不可能です。
真面目に話すと、死刑という人の生命を奪うこともある司法という世界に携わるのですから、勉強することに抵抗感がある人は法曹になるべきではありません。
法曹以外にも稼げる仕事はありますし、よっぽど楽しい仕事もありますから、法曹を目指すのはやめましょう。
さて、上記の忠告を読んでも、まだ読み続けてくれている方に向けて書きますが、
じゃあ、予備校はどこがいいのっていう話です。
ぶっちゃけ、どこでもいいです。
どこも大して教えてくれる内容は変わりませんし、好みの差はあれど、講義の質も大きく変わりありません。
なので、スタンダードな選択基準とその基準に基づいたお勧め予備校をご紹介します。
第1の選択基準は、多くの人が通う予備校に入る
という基準です。
多くの人が通う予備校に入る
かなりメジャーな選択肢になります。
司法試験業界のメジャーな予備校は、
・伊藤塾
・LEC
・辰巳
といったところでしょうか。
かなり多くの人がこの3つの予備校に入りますね。
僕自身も、伊藤塾に入っていました。
多くの人が入る予備校に入るということのメリットは、大きく分けて2つあります。
①多くの受験生が知っている知識を習得できる
ロースクール入試も、司法試験も、結局のところ、相対評価になります。
そのため、多くの受験生が知っていて、自分だけが知らないというトピックが試験に出題されると、かなり厳しい結果が待ち受けています。
例えば、小規模の予備校のテキストに載ってないけど、大規模の予備校のテキストに載っている判例が出た場合、前者を使用していた受験生はきついです。
でも、小規模の予備校のテキストに載っているけど、大規模の予備校のテキストに載っていない判例が出た場合、後者を使用していた受験生は、どうせ多くの人が知らない話なので、ダメージは小さいですね。
入門講義で話される内容は、どの予備校でもほとんど差はありませんが、それでも、多少の差や、重点的に説明する部分の差があります。
そういう意味で、多くの受験生と同じ講座を受けて、同じ知識をつけておくことにメリットはありますね。
②勉強仲間が増えるチャンスがある
司法試験の受験にあたり、勉強仲間というのは、かなり重要な要素になります。
というのは、法学の勉強は、テキストの行間を読むことが必要なので、テキストに書いてあることを深く理解する必要があります。
どうしても1人だと分からないところが出てきます。
各予備校では、質問コーナーなどを設けていますが、利用は億劫ですし、勉強仲間に相談する方がよっぽど早いです。
このように、勉強仲間が多いというのはメリットでしかないのですが、
予備校で勉強仲間が増えるということは結構あります。
大学内で「伊藤塾行ってんだ。俺もだわ。」という会話から一緒に勉強を始めたり、
自習室でよく見る人と休憩室で仲良くなったりというケースがあります。
③会話の省略が可能
②の派生になりますが、同じ予備校に通っている人との間で議論する際に、同じ講義を受けているということは共通言語を生みます。
「●●先生が言っていたところだよね。あれって、●●ってことでいいのかな」
みたいな会話が生じる訳です。
小さいことですが、同じ講義を受けている人同士だと、共通の土壌があるため、こう言った話が早く、逆に、その講義を受けていない方は、議論に参加出来ないこともあります。
それでは、実際にどこがいいのっていう話をします。
①伊藤塾
伊藤塾
言わずと知れた司法試験予備校の雄です。
私の出身大学では、圧倒的な支持率でした。
今、所属されていらっしゃる講師の中で、受講したことがあるのは、
伊藤塾長、岡崎先生、呉先生、本田先生の講義です。
色々コースがありますが、
伊藤塾長、岡崎先生、本田先生の講義は、
こちら
からみることが出来ます。
呉先生の講義は、
こちら
からみることができます。
誰の講義が良いかは人によっての好みです。
伊藤塾長と呉先生の講義は分かりやすいと思います。
伊藤塾長はカリスマなので、話に引き込まれます。特に、憲法は面白い。ただ、(司法試験とは直接関係のない)崇高な理念とか、雑談が長く、45分くらい雑談が続くこともあります。それはそれでモチベーションアップになるんですが、限られた時間を割いてまで聞く話なのかなあと思います。
呉先生は、神ですね。特に、民訴の講義はめちゃくちゃわかりやすい。
講義内容は、テキストのマークする箇所を指定するのが特徴で、これがあとから復習する際に便利です。
ただ、講義の順番については不満があって、
普通は基礎講座→論文講座と進むところが、呉先生は基礎講座と論文講座を並列的に進行されます。
前回の記事でも書きましたが、私は、とにかく1周通読しよう派なので、この進行に関しては懐疑的ですね。
岡崎先生はちょっと微妙かな。もぞもぞとした声で聞き取りにくいし。(論文の対策は岡崎先生が一番いいです。名誉のため。)
本田先生は、呉先生の弟子とも言われていて、系統的には同じです。本田先生の講義を受けるなら呉先生の講義でいいと思います。
②LEC
LECは、司法試験だけでなく、手広く資格試験対策をしています。
司法試験の受験生の利用率もかなり高いです。
私の大学では、2番手でした。
LECのいいところは、(司法試験以外も含めると)受講生が圧倒的に多いため、受講生用のインフラが段違いに整っていることです。
こちら
上記の講座はスマフォで講義を受講することが可能となっています。
特に通勤時間が長い学生、社会人にとって、スマフォで講義を受けられるというのは、時間の節約になると思います。
1回目の受講時はメモなども必要でしょうが、聞き返す時などは、立ったままでも十分ですからね。
柴田先生の講義については受講したことがありますが、内容は無難です。
必要十分なことを説明してくれるという、スタンダードな内容でした。
評判がいいので、ささる方も多いんだろうと思います。
③辰巳
辰巳法律研究所
司法試験予備校として、最古参の一角を占めます。
高田馬場に本社があるため、早稲田大学生が利用しているイメージがあります。
受講生の人数はかなり多いです。
僕は、試験直前の模試を受けたことしかないので、説明は割愛します。
悪い評判は聞かないので、通っている友人などがいらっしゃれば、選択肢の一つになるんじゃないでしょうか。
④早稲田アカデミー
早稲田アカデミー
いわゆる早稲アカ
大手の一つと言われますが、私は通っていた友人を知りません。
近所にあるとか、知り合いがいるという方を除き、少なくとも、受講生の多さを重視するなら、①~③のどこかでいいんじゃないでしょうか。
まとめ
もし、受講生の多さを決め手にするなら、
①伊藤塾
②LEC
③辰巳法律研究所
のどこかにしましょう。
この3校であれば、内容は十分なはず。
大学の同級生、知り合い、友人が通っている予備校に一緒に行くのがお進めです。
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